山本です。自粛期間はいつもより良いペースで本が読めています。
今回は前回同様、統計データをベースとした学術よりの本を読んでみました。
それがこちら。
職業の経済学
帯の内容通り、産業別にキャリアや賃金のデータを見てみようという本です。
この産業で働いたらどんなキャリアを描いていくのか?給与はどれくらい上がっていくのか?
といったことが、大枠ではありますが読むことで理解できます。
本のスタンスはビジネス本ではなく、経済学視点で職業と賃金を考える学術よりの本です。
おそらくですが、著者の方々が大学の教材で使うための本なんじゃないかなと思います。
経済学の本なので、需要曲線や供給曲線なんて単語も出てきます。
学生向けに、将来の職業を考えるのにも使えそうですが、就職活動的に使うのであれば「お仕事図鑑」的な本の方がより具体的で実用的だと思います。
読んでいて一番新鮮だったのは公務員の章です。
国家公務員の出世の流れについては全然知識が無かっので勉強になりました。
公務員も民間同様、主任、係長という感じで昇格していきます。
評価や成果が高い人から早く昇格していくものだと思っていたのですが、公務員は15~20年くらいの間は、その昇格ペースが同期一律なんですって!
で、20年目からようやく差がつき始めて、50代になって同期から局長や事務次官出ると、その他の同期は退職して「天下り」するんです。
一見謎なシステムですが、これが出世競争させる手法らしいんです。
公務員はクビがないですし、民間のように転職するという選択があまり(ほぼ?)ありません。
この環境で、入って数年で差が出始めてしまうと、もうその段階で先がみえちゃって頑張らなくなっちゃいます。
だから20年間は横並びにして、チャンスを残すことで競争させるんですね。
天下りも頑張らせる手法のひとつです。
横並び期間が終わると差が出始めて、いよいよ頑張らなくなっちゃいますよね。
それを防ぐのが天下りです。天下り先にもいろんなところがあるので、評価が高い順によい天下り先に行けるんです。
20年横並びだったり、将来的に天下りするんだったらモチベーションが上がらなそうですが、理由を知ると長期間出世競争させる(頑張らせる)システムであることがわかります。
なるほどねぇ~という感じです。
でも足の引っ張り合いがたくさんあってドロドロしてそうですよね。世なんかムラ社会っぽいというか。
色んな産業の事に触れているので、こんな感じで、自分が知らない世界を知られる本だと思います。
それじゃまた
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