最近キャリアに関する本を積極的に読むようにしています。
エージェントや人事等、人材系出身の人が書いた本の場合、自分との相性がある気がします。
考えに共感・納得できるものもあれば、どうも合わない、いや違うでしょ…と思うこともあります。
そんな話をしましたが、今回読んだ本は人材とは関係ない畑の方が書いた本です。
それがこちら。
「科学的な適職」
著者は鈴木祐さんという方です。
いやDaiGoさんじゃないんかい!
手に取った99.9%、除菌率レベルの割合の人が「DaiGoじゃないんかい!」と思うことでしょう。
だってDaiGoさんも「私が書きました」みたいな表情してるもん!
話を鈴木祐さんに戻して、著者はサイエンスライターという肩書で出版社出身。
16才のころから年に5,000本の科学論文を読み続けている「日本一の文献オタク」とのこと。
副題に「4021の研究データが導き出す」とあるように、この本は、著者が様々な論文から得られたデータをもとに、適職の探し方を指南する本なんですね。
DaiGoさんもYouTubeで近しい事やってますもんね。帯DaiGoも納得です。
本の中身に入っていきます。
そもそもなぜ、人は就職・転職で失敗してしまうのでしょうか。
興味を持って応募して、こいつならやってくれると内定をもらい、自らの意思で入社しているのに。
この本では、就職・転職の失敗の7割は「視野狭窄」が原因であると主張しています。
「とにかく転職したい」「給料が上がる」「ずっとやりたかった仕事が出来る」など、物事の一面しか見られず、視野が狭くなっている状況で判断していまっている、ということですね。
視野狭窄に陥ることなく、「適職」にたどり着くには5つのステップが必要です。
ちなみにこの本での「適職」の定義は「あなたの幸福が最大化される仕事」です。
適職と聞いて、ストレートに「好きな仕事」とか「結果を残せる向いている仕事」と考えてしまったのなら、あなたは転職する際に視野狭窄になってしまうかもしれません。
仕事選びのミスは、幸福とは関係ない要素である以下の基準で選ぶことだと言います。
1.好きを仕事にする
2.給料の多さで選ぶ
3.業界や職種で選ぶ
4.仕事の楽さで選ぶ
5.性格テストで選ぶ
6.直感で選ぶ
7.適性に合った仕事を求める
良い考え方じゃん!と思いますが、幸福とはあまり関係ないのだとか。
詳しくは実際に本を読んでいただきたいのですが、特に印象深かったのは、「自分の強みを生かせる仕事を選んでも仕方ない」ということです。
嘘でしょ…就活でさんざん強みについて悩んできたのに…という気持ちになったのは僕だけではないはずです。
その理由は以下の2点です。
・「強み」と仕事の満足度はあんまり関係ない
・自分と同じ「強み」をもっている同僚が少ないと仕事の満足度が上がる
つまり、
・「強み」を生かすことを考えて転職する。
↓職場にその強みを持った人が多い
↓自分の強みが埋もれてしまう
→仕事の幸福度が上がらない
・「強み」を意識せずに転職する。
↓職場にその強みを持った人が少ない
↓自分の強みが目立ちやすい
→仕事の幸福度が上がる
となるわけです。
仕事で強みを生かすのは良い事ですが、転職で強みを意識しすぎると、転職先で幸福度を上げずらくなる、ということですね。難しい。
本ではそこからさらに、
・じゃあ、仕事の幸福度を上げるにはどのような点が重要なのか
・幸福度を下げる職場環境はどういったものか
・適職選びを妨げる「バイアス」をどうすれば外せるのか
・仕事の満足度を判断する方法
について書かれています。詳しくは買って読んでみてください。
人材業界に勤める者として、納得感のあるものや新しい発見も多くありました。
ただ、仕事選びのミスの7項目については、まだモヤモヤしている状態です。
現場の肌感と論文の結果って全然違ってくるのは結構あることだと思います。
現場だって目や耳に入ってくるものすべて正しいとは限らないし、転職した人の人生を何十年と終えるわけではありません。
ただ論文のデータはあくまで実験の結果とその解釈があるだけですから。今正しいと言われている事が数十年後ひっくり返ることもあります。
つまり何が言いたいかというと、僕がまだこの本の内容をかみ砕けていない、腹落ちできていないということです。
急に考えを変えるのは難しいので、この本に書いてあることを頭の片隅に置きながら、日々過ごしてみようと思います。そうすればどこかでハッと気づく時が来るかもしれません。
それじゃまた