ある日、渋谷のTSUTAYAで本を物色していた時のこと。
男「あの~すみません」
急に話しかけられました。
怖っ!ヌメッと話しかけられたのでびっくりしてビクッてなってたと思います。
年齢はハタチそこそこくらい。気弱そうで少し地味目な青年でした。
なんだこの男・・・急に話しかけられてフリーズしている僕をよそに男が話を続けます。
男「こういう本好きなんですか?」
えええ!?
こういう本とは僕が眺めていたビジネス本のことのようです。
それ赤の他人に急に質問することかね?
僕「あ、ああ。好きって程でもないですけど、たまに読むくらいですかねー」
馬鹿正直に答えてしまう僕。
こんなんだからつけこまれるんですよ!
男「実は友人の誕生日に本をプレゼントしようと思っているんですが、僕こういう本に詳しくなくて」
僕「はぁ」
男「なので初対面であれなんですが、プレゼントする本を選んでくれませんか」
いや、どうかしてるよ!
でも誕生日プレゼントを考えるなんて・・・良い奴じゃん。と思う僕もいました。
僕「そうですねー。これとか読んだことありますけど、良かったですよ」
実際に読んで良かったホリエモンの本を薦めました。
選んであげてしまう僕もどうかしてますね。
男「ありがとうございます!これをプレゼントします!これも何かの縁ですし、良かったら今度ご飯行きませんか?LINE交換しませんか?」
思ったよりグイグイ来るタイプ!
男はそんなに社交性のあるタイプには見えませんが連絡先の交換を提案してきました。
見た目と行動のギャップに肝を冷やしている僕でしたが、本当に良いご縁になったら面白いなと思ったので連絡先交換に応じました。
LINE交換後、男はしばらく店にいるということだったので先に僕が店を出ました。
今考えると本当に本を買ったかどうか怪しい、というか絶対買ってないですよね。
・・・後日
仕事終わりに渋谷に降り立つ僕。
そう、例の男とご飯の約束をしたのです。
駅前で待ち合わせをして、「何度か行ったことがあるラーメン屋がある」ということで道玄坂を二人で登ります。
ラーメン屋て!
ラーメンおいしいですよ。大好きですよ。でもほぼ初対面の男二人が行くところですか?ラーメン屋。
歩いている最中、身の上話になりました。
男はもともと職人の道に進もうと思ったものの厳しさに挫折。
今は別の夢を追いかけているそうです。
「夢」・・・雲行きが怪しいワードが出てきました。
目的のラーメン屋に到着し、食券を買う男と僕。
ちなみにおごりではありませんでした。
カウンターに座り、身の上話などをしますが正直あまり盛り上がりません。
そりゃそうです。ほぼ初対面の男二人ですからね。
僕自身もコミュ障枠人員(出来るだけやわらかい表現にしてみました)ですし、男も絶対無理してますからね。
微妙な沈黙が続きます。
そこから僕の仕事の話になり、将来の目標の話になりました。
男「将来的には年収いくら稼ぎたいとかありますか?」
なんだよその質問・・・。
ほぼ初対面でする質問ではないですよね。この辺りにはもう僕も圧倒的なクロ、という感覚を持っていたので、ちょっとブチかましてみました。
僕「そうっすねー。やっぱ2000万は欲しいですよね!」
山本の野心モリモリマンアピール!
さあ、これに対して男はどう出るのか?
男の方を見てみると、目をキラキラさせながら視線は僕を向いているものの焦点が合わない感じ。ちょっとイっちゃったんじゃないかという表情をしていました。
洗脳されてる人ってこういう顔するのかなって思いました。
その表情をみて吐き気を催してしまいました。
ようやく心からやべー奴だと認識出来ました。
男はその表情のまま、本当に焦点が合わないその表情のまま話し続けました。
男「実は僕がすごく尊敬している人がいて、今度その人が主催するパーティーがあるんですよ。そこに行けば色んなすごい人に会えて人脈も増えると思います。今度一緒にどうですか?」
はい出ましたー。本日の本題。
本当であれば興味を持ったふりをして根掘り葉掘り聞いておく所ですよね。
でもあの表情で背筋が凍り切ってしまったので即行で断ってしまいました。
この男とはラーメン後は一切連絡はなく終わりました。
断ったことで見込みなしと思われたんでしょう。
この男は僕が出会った中で一番マルチ勧誘センスのない人でした。
今は足を洗っていることを願います。
ちなみに、その時のラーメンの味は全く覚えていません。
後日偶然そのラーメン屋に入ったら普通においしかったです。
何を食べるかも大事ですが、誰と食べるかも大事だなーと思いました。
それじゃまた
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