NiziU、人気ですよねー。HuluのMCもいっぱいやってるし、実際観たことなくても聞いたことある人は多いんじゃないでしょうか。
プロデューサーのJ.Y.パークさんもチョコプラの松尾さんがモノマネしていたり、ビジネス界隈では褒めて伸ばすマネジメント力も注目されてます。
簡単に説明すると、「Nizi Project」はモーニング娘を生み出した「ASAYAN」のようなオーディション番組です。日本全国で1万人からオーディションを重ねて、選抜メンバーでアイドルグループを作ります。
10代の女の子がアイドルに向けて努力し、成長する姿に目が釘付けになりますわね。
こんな風に頑張る姿を見せられたらファンになっちゃうし、デビューしても応援しちゃいます。
話ちょっと変わっちゃうんですが、努力って報われるとは限らないですよね。
努力が報われない理由は色々あると思いますが、大きい理由の一つに「ライバルも努力している」というのがある思います。
大学受験でも、高校1年でちょっと勉強すれば偏差値上がるけど高校3年になるとみんな勉強し出すから上がりにくくなります。他の人の2倍努力しようと思っても、他の人が1日2時間努力していたら自分が4時間頑張れば2倍になりますが、他の人が8時間努力していたら自分は16時間頑張らなくてはいけなくなります。
もちろん努力は時間だけでは測れないですが、ひとつの重要な要素ではありますよね。
僕自身、才能やセンスがあったり要領が良いタイプではないので、時間を使って頑張ってきたこともあるのですごく実感しています。一回ついた差をひっくり返すのは大変なんですよね。
だから就職するなら自分の強みを生かせる仕事を選ぶのが良いですし、お金持ちは子どもを小学校から私立に通わせるんですよ。
努力でどれくらい逆転が出来るのか。話戻ってNizi Project。選抜を受けるメンバーも実力横一線ではないです。そんな中デビューに向けてみんな頑張るわけですが、努力によって実力にどのような変化が現れるのかに注目したいと思います。
Nizi Projectでは、1万人の応募者から予選で26名を選抜し、4泊5日合宿で14名に絞り込み、半年間の韓国でのトレーニングを経て、9名のデビューメンバーが決定しました。
Nizi Projectは各試験毎に順位を発表するので、合宿で選ばれた14名の合宿と韓国での順位変動をまとめてみまます。ここから人名が多くなるので敬称略でいきます。
その表がこちら。
黄色い枠の人がデビューできた9名です。番組ではメンバー名は下の名前のカタカナ表記だったので誰が誰だかわかんないですよね。
名前の横にある数字がそれぞれの順位です。1回目2回目がなんなのかは下を参照。
1回目:合宿のダンス審査とボーカル審査の平均順位
2回目:合宿最終、14名が選ばれた時の順位
3回目:韓国トレーニング最初の個人レベルテストの順位
4回目:韓国トレーニングで実施された2つのチーム戦の個人の平均順位
最終順位:上位9名がデビューとなりました。デビュー組以外は順位発表が無かったので一律13位としています。
表だけだとなんのこっちゃわからないですよね。グラフにしてみました。
これでもごちゃごちゃしててあんまりわかりにくくないですが、目立つのは山口真子(マコ)ですよね。マコは、JYPエンターテインメント(J.Y.パークが作った芸能事務所)に練習生として所属していました。このオーディションメンバーの中では、練習環境も良く練習時間の長いエリートと言えるでしょう。
エリートと言えるJYP練習生は他もいました。アンユナ(ユナ)と鈴野未光(ミイヒ)、そして横井里茉(リマ)の三人です。
他にも、他の芸能事務所で練習生をしていた勝村摩耶(マヤ)、芸能活動をしていた池松里梨愛(リリア)もエリートと言えます。
そこで、エリート6名をピックアップしたグラフを見てみます。
すこしわかりやすくなりました。エリート組でも常に上位にいるわけではないようです。マコの凄さが際立ちます。この中でメンバーに選ばれたのは6名中4名。
池松里梨愛(リリア)は1回目こそ高順位だったものの、2回目以降は低迷しています。
逆に勝村摩耶(マヤ)は1回目の順位は低いですが、2回目以降は上位をキープしています。どちらもJYPエンターテインメント以外で芸能活動をしていた二人です。
選抜には4つの評価軸を置いています。ダンス、ボーカル、スター性、人柄です。リリアはスター性の評価を得られていないんですよね。
このことから、「リリアは実力はあるものの、J.Y.パークの求めるアイドル性やテイストに合わせられなかった」と言えるのかもしれません。反対にマヤはスター性の評価を得ているので、これまでの経験をJ.Y.パークの求める方向性にシフトさせられたから後順位になったと考えられます。
次に、メンバーに選ばれなかった5名の順位の推移をピックアップしてみます。
グラフを見て思った事としては、
・全員、上位4位以内に入ったことがない
・全員、メンバー入り基準の9位以内に一回以上入っている
・全員、3回目(韓国に来て1回目のテスト)でメンバー入り基準の9位以内に入っていない
の3点です。
このことから、選ばれなかったメンバーは「ずば抜けて実力が目立つことこそなかったが、実力的には十分メンバー入りも狙えた。しかし、韓国でのトレーニングを通して、順位を逆転することが出来なかった。」と考えることが出来ると思います。
そして実は、7~9位のメンバーに選ばれた3人も、4位以内には入っていませんでした。上位に入るメンバーはある程度固定化していたことがわかります。
そして今度は逆に、メンバーに選ばれた9名のグラフを見てみます。
3回目以降、メンバーに選ばれた9人は10位以下になっていません。韓国入りをして以降、ある程度実力差が固まっていたであろうことが想像できます。
そしてグラフで目を引くのが、1回目17位の新井彩花(アヤカ)と22.5位の小合麻由佳(マユカ)です。
アヤカは合宿でのテストで、ダンスで16位、ボーカルで18位と下から数えた方が早い順位でした。しかし、韓国入りした後の個人レベルテストでは13人中9位と健闘しています。合宿後から韓国入りまでの間に、自主練を頑張っていたのだろうことが伺えます。
アヤカより順位の低いマユカは、26人に選ばれた際も補欠合格という雑草魂です。しかし、韓国入りした後の個人レベルテストでは13人中8位と、アヤカと同じく大健闘しています。
二人とも合宿での順位は韓国に行ける14名中、13位14位とギリギリの通過でした。そこから韓国のテストで8位と9位に上げてきたのは、自主練期間に頑張っていたからに他ならないでしょう。
最後に。3回目’(韓国入りした後の個人レベルテスト)と最終順位を比較したグラフを見てみます。
こうすると、1~6位の組、7~9位の組、10位以下の組に固まっていることがわかります。
つまり、韓国トレーニング期間は6ヶ月間もあったにもかかわらず、大きな順位変動は起きていないんです。6か月間努力してきたのに。
これは、全員が同じ環境で同じように努力していたからだと思います。
全員同じ環境ですからね。全員が同じように頑張ったら、最初から力のある人の方が勝つのは自然なことに思います。漫画みたいに才能開花みたいなことは、そうはないのでしょう。
と考えると、本当の勝負は韓国に行く前の自主練期間だった。もっといえば、1万人から26人に選ばれる予選の段階で、ある程度決まっていたと考えることも出来きます。
いやまあ、だから何だって言われると難しいのですが。
みんなが頑張っているときに頑張っても差は埋めにくい。逆転を目指すならライバルが頑張っていないときに頑張るしかないという結論に至りました。
また、単に実力だけでなく、相性やテイストが合う合わないも重要であると言えます。
少し残酷な話ですが、そりゃ就職するなら自分の強みを生かすべきですし、お金持ちの親は教育熱心になっちゃうわけですよ。
実力や才能に恵まれていない夢を追いかけるのであれば、ライバルが休んでいる時にも努力する覚悟を持つべきということですね。
それじゃまた