今は本当に採用が難しい時代です。
今回紹介する本が発売されたのは2017年。売り手市場が過熱していた時期です。しかし2020年の現在は一転、一気に買い手市場に反転しています。
買い手市場になったのなら、どの会社も希望する人を採用できるようになったのか、というと全くそんなことはありません。
少子化で若い人の絶対数は減っているし、仕事も複雑化・専門化しているので誰でも良いってわけにもいきません。ゼロから育てる余裕もなかなかありません。
ターゲットになる人材は限られてきます。
しかし、人気ってのは集中するもので、そういう人は他の企業からも来て欲しいと言われます。
そうすると結局、売り手市場と同様に、企業が見定められる側になるわけです。
「あなたの会社に私が入社するメリットってなんなの?」
これに答えられなければ、入社してもらえません。わかりやすいメリットがある大手や有名企業の一人勝ちです。
ウチは大手でも有名企業でもない。でもなんとかしたい。それのヒントになるのがこの本です。
いい人材が集まる、性格のいい会社
大手でも有名企業でもないなら、性格のいい会社になろう。そうすればいい人材が来てくれるんです。
では、性格のいい会社ってなんでしょう。
著者は、性格のいい会社の定義として「人に対する考え方がある会社」としています。
人に対する考え方、つまり「人材ポリシー」のある会社です。
これがある会社は、「働きがい」や「多様な働き方」を社員に対して提供出来ています。
この2つが、いい人材を集めるポイントになるんです。
「働きがい」とはなんなのか。
働きがいは「ビジョン」「成長」「仲間」で出来ていると著者は言います。
誰のために何をするのかが明確で(ビジョン)、仕事を通じて自身の成長を感じられて(成長)、職場半径5メートルの人間関係が良い(仲間)こと。これが「働きがい」を社員に提供できる会社です。
「多様な働き方」についても、具体的な事例があげられています。
時間や働く場所が個人の希望に合わせられたり、出戻りがOKだったり、柔軟な働き方が出来る環境。
他にも男性でも育休が取りやすかったり、自己成長や旅行のための長期休暇が取れたり、個人のプライベートも大事に出来る会社だったり。
個人的に出戻りOKは凄く人材の流動性や成長が活発になると思うので、多くの企業が取り入れた方が良い精度だと思います。
2020年。コロナの影響で、会社も働く人も大きく変わってきていると感じています。
今まで在宅勤務やWeb会議、オンライン面接なんてやったことない会社が、そういった施策を当たり前のようにやっています。
コロナが収まった時にどうするか。元に戻す会社もあれば、これを機会にそういった制度を残す会社もあるでしょう。
働く人の気持ちも大きく変化しているように感じます。
これまでより柔軟な働き方や、やりがい、働く意味を求める求職者が増えています。これはこの本が言う「性格のいい会社」のニーズが高まっているということを示しています。
仮にコロナが1年で収まったとしても、ここで変化した人の気持ちはすぐには変わらないと思います。
その、働く人の気持ちの変化に気付ける、対応できる会社が「性格のいい会社」として、いい人材を採用して成長していくのではないでしょうか。
それじゃまた