人材業界で働いております山本です。
長寿と引き換えに生涯現役で働くことを求められるニッポン。
どうせ同じ時間働くなら、成果も出したいし、感謝されたいし、対価のお給料も欲しい。(出来るだけ多く)
でもどうすれば良いのかわからない。そんな人にお勧めの一冊です。
日本型キャリアデザインの方法
著者の大久保幸夫氏は新卒でリクルートで入社して、リクルートワークス研究所の所長に。
※リクルートワークス研究所・・・リクルートホールディングス内にある「人」と「組織」に関する研究機関
専門分野を人材マネジメント、労働政策、キャリア論とする根っからの仕事・キャリアの専門家です。
著者はキャリア論の専門家なので、キャリア理論をベースにキャリアの描き方が書かれています。
そもそもキャリア理論は欧米の方で進んでいる考え方(学問?)なので、欧米の労働市場によりフィットした考え方です。
キャリア論と日本の労働事情に詳しい著者が、日本向けにローカライズしているのが、この「日本型キャリアデザインの方法」です。
この本ではキャリアを「筏下り」と「山登り」の時期に分けています。
「筏下り」はキャリアの前半を指します。上司の指示や異動などある程度流れに身を任せながら経験を積んでスキルを付けて、自分の方向性を決めていきます。
「山登り」はキャリアの後半。筏下りの経験をもとに、自分で専門性の山を決めて、その山を自分の足で登る段階です。
筏下りと山登りの例えがとてもイメージしやすいですね。
まずはがむしゃらに頑張るキャリアの前半と、自分で方向を決めて歩かなくてはいけないキャリアの後半。
それぞれの段階で何がポイントかも書かれているので参考になります。
山登り期については、筏下り期と比べて抽象的な話が多かった気がしますが、それはつまり山登り期(プロフェッショナルとしてのキャリアを歩むこと)は決まったパターンがないということなんだと思います。
仕事における守破離の話もわかりやすい。
守破離はよく聞く話っちゃ話ですが、筏下りと山登りの例えの後だと、なおさら納得感があります。
職場の先輩同僚を見回して、誰が「守」の段階で、誰が「破」に進んでいて、誰か「離」の段階まで到達している人はいるか、考えてみると面白いかもしれません。
手元に置いて定期的に見返したい良書でした。
それじゃまた