「コンビニ人間」
主人公はコンビニでアルバイトする36歳の女性。
高校卒業後18年間彼女はコンビニでアルバイトを続けています。
つまり人生の半分をコンビニバイトとして過ごしています。
常識から少し外れていた彼女が始めて出来た居場所。
コンビニのために生き、コンビニに生かされる彼女。
そんなコンビニの日常に、ちょっとネジの外れた男性がアルバイトとして働き始めたことで、彼女の生活は少しずつ崩れていきます。
最終的に彼女は慣れ親しんだコンビニを離れることになり・・・物語はラストを迎えます。
客観的に見るとただの狂気。主人公からするとハッピーエンド。
いや幸せな再出発といってよいのかもしれません。
足元を支えている自分の常識がグラつく作品です。
さて、作者の村田沙耶香さん自身も長年コンビニでアルバイトをされていたそうですね。
実体験に裏打ちされていることもあり、コンビニバイトの描写がめちゃくちゃリアル!
僕も6か月間だけではありますが、コンビニでアルバイトをしていました。
結構お客さんの顔は覚えるものです。
馴染みのお客さんが良く買う商品とか、会計の時のクセとか。
店員はちょっとした変化にも意外と気付いていたりします。
だからといって会話するわけでもないのがコンビニクオリティですね。
ある日いつも通りコンビニで働いていると、なんと大学の後輩が買い物に来ていたことがありました。
いつ気付くかなーとレジ打ちしていたんですが、これがまあ全く気付いてくれない。
結構気付けオーラ出してたんですけどね。
結果的には、お釣りを渡すタイミングでようやく気付いてくれました。
お客さんからしたら店員の存在なんてそんなもんかと少し悲しくなりました。
お釣りを渡すタイミングがあったからなんとか気付いてもらえましたが、今みたいにキャッシュレス化が進んでいたら気付かれずに終わっていたかもしれません。
と、後半はコンビニバイトの感想になってしまいました。
そこまで長い作品ではないので、早いとこ狂気を感じたい方にお勧めです。
それじゃまた