ルームメイト山本の日々

みなさんのルームメイト、山本が日々を綴るブログ。お笑い好きのアラサー。 仕事は人材系。エンタメ、資産運用、キャリアに興味強め。結婚は半ば諦め、独り身の老後を豊かに過ごすために日々精進。

【絵と曲と話と涙がとにかく綺麗】アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観た感想

ヴァイオレット・エヴァーガーデン。

原作のライトノベル1作目が2015年に発売。テレビアニメが2018年放送、劇場版が2020年に放映された作品です。今回は原作未読でテレビアニメ版を観たのでその感想です。

元テレビ東京のテレビプロデューサー佐久間宣行さんがラジオでオススメしていたのを聴いてずっと観たいと思っていたのですが、ようやく観れました。

いやー、良いね。悔しいけど泣いちゃう。泣かせに来るんだもん。「泣ける」「感動する」って紹介されると、醒めちゃったり身構えちゃったりして「泣けない」「感動出来ない」ことってままあると思うんですが、このアニメはそんな心配無用です。

 

絵柄がラノベ感が強くて、(僕含め)あまりそういう文化に馴染みがないと、ちょっと手を出しにくいかもしれませんが、そこは気にせず観てほしいところです。

 

主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンは戦争で「武器」になるために育てられた女子少年兵で、バチコリに強いのですが、その育ち故に戦う事しか知りません。
無双のヴァイオレットでしたが最終決戦で敵の攻撃を受け、育ての親でもあるギルベルト少佐とともに瀕死の重傷を負ってしまいます。
ヴァイオレットは九死に一生を得ますが、少佐の生死不明。記憶の最後でヴァイオレットは「愛してる」と少佐に伝えられるのですが、戦場しか知らないヴァイオレットは「愛してる」の意味が理解出来ませんでした。
終戦後、少佐の「愛してる」を理解するために、ヴァイオレットは郵便局で「自動手記人形(手紙の代筆屋)」として働き始めます。

と、こんなストーリーなのですが、もうこれだけでグッと来ますよね。来なかったらそれはストーリーではなく、僕の文章力の問題です。

 

アニメは全13話。自動手記人形としての依頼を受け、手紙を書きあげる1話完結型の形になっています。

もうね、絵と曲と話と涙がとにかく綺麗。つまりすべての要素が良い。話は一本筋なんですが、それぞれの力が凄いから勝手に泣いちゃってるんですよ。作品の力で泣かされていると言って良いかもしれません。

 

特に印象に残った点について書いていきたいと思います。

人形扱いされるヴァイオレット

とにかくかわいくて綺麗。美麗な容姿という設定で、原作のイラストも綺麗なのですが、アニメはそれに輪をかけて綺麗。よくこんなかわいいキャラクター描けるよねぇ。

ヴァイオレットは作中で「人形」と比喩されることが多々あります。作中での仕事は「自動手記人形」であり、戦場ではその戦闘力から「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」の異名を持ったとされています。容姿の整った人や感情が観てない人に対して「人形のよう」という比喩することがありますよね。その辺を意識しているんだろうな~と思います。

ヴァイオレットの義手

ヴァイオレットは戦闘で両腕を失くしており、義手を付けています。ただ物語の中でも義手故の事件・出来事は特になくて、別に義手じゃなくても物語は成立するんですよ。
ちょうど同時期、エヴァンゲリオン庵野監督の「プロフェッショナル仕事の流儀」を観まして。そこで庵野監督が「欠損があることが面白い」と言っていました。その話とヴァイオレットの義手とが重なりました。
義手は欠損、損失の象徴なんですよね、きっと。戦争で失ってしまった両腕は、「愛している」が理解できないこと、感情や自我が乏しいことの象徴として描かれているんでしょうね。その義手で手紙を書いているのも、そういうことなんでしょう。
それに、ヴァイオレットをより人形っぽい存在にする要素にもなっている気がします。

あの文明レベルであんな高度な義手どうやって…と一度は思いますが、そこはそういうものと捉えましょう。

キャラクターとしてのヴァイオレット

キャラクター的には容姿端麗で強いんだけど感情表現が薄い、といった感じで、エヴァンゲリオンの綾波レイや進撃の巨人のミカサと重なる部分があるなと思いました。境遇も近いですよね。戦うための存在。
実際にヴァイオレットとミカサは同じ声優さんが演じておられました。

レイやミカサと重なるのに、不思議とヴァイオレットは恋人にしたいキャラクターランキングに入ってきそうな感じがありません。描かれ方でいったら一番の美貌なはずなんですけどね。レイやミカサはヒロインポジションですが、ヴァイオレットは主人公なのでその違いはあるのかもしれませんが、制作側がその辺をかなり意識している気がしました。恋人にしたいと思わせる要素をそぎ落としているというか。

とにかくもらい泣き

各話ラストで泣かされちゃうんですけど、なんでかって考えたところ、もらい泣きだという結論に至りました。涙がきれいなんですよね。作画が良い。
あとちゃんと感情移入できるように丁寧に話を作っているのもあるでしょう。感情移入出来てない所で泣かれても醒めるだけですからね。 

この辺の良さって、ワンピースもそうかなと思いました。僕自身ワンピースは序盤しかしらないんですが、有名な感動シーンて登場人物泣いてますよね。泣き顔や涙が特徴的で、それがワンピースらしさを作ってるなと思います。これもしっかり面白い話を積み重ねて、感情移入させたうえでの泣きの演出ですからね。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは1話でそこまで持っていけるのが凄い。

ずっと観ていたい

基本的には1話完結モノなのですが、物語が終盤になると大きい展開も出てきました。そうするとすごく寂しい感情が襲ってきまして、1話完結の話をずっと観ていたいのになーと思うようになっていました。この感情、前も似たようなのあったなー、なんだったかなーと思い返してみたら「架空OL日記」でした。

共通点を考えてみたのですが見つかりませんでした。あ、どちらも登場人物への感情移入度が高い点が同じかもしれません。

ベースにある悲しさ

ベースに悲しさがありますよね。だからこそ感動させられる。ヴァイオレット自身が大きい喪失を抱えており、それを見つけるために一生懸命だからこそ共感するのでしょう。ただただ「天才自動手記人形が優れた手腕で依頼主の心を救う!」だけでは何か違いますよね。喪失を抱えている、欠損しているからこそ、依頼主に寄り添えるというのもあるかもしれません。

この構図って「ブラック・ジャック」も同じかもと思いました。ブラック・ジャックも大きい喪失を抱えながらも依頼主に向き合ってますよね。そういえばブラック・ジャックも不発弾の爆発に巻き込まれて「ツギハギ」になってますし、作中で「心がない」と評されることも多いですよね。ブラック・ジャックとの類似はこれを書きながら思ったことですが、ちゃんと比較してみると面白いかもしれません。

あと、「愛してる」の意味を知ることは、それと同時に、愛している人の喪失と向き合うことにもなりますよね。そこまで作中で話は進まないですが、それも物語のベースに悲しみを感じさせる要素になっていると思います。フィクションですが、ヴァイオレットに幸あれと思わずにいられない。

 

とりとめもなく書いて終わります。良かったらぜひ観てください。

それじゃまた 

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