30代だけど読みました。体は30代だけど心はぴちぴちのハタチだもん☆
20代 仕事筋の鍛え方
著者の山本真司氏は1958年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業、シカゴ大学でM.B.A.取得。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経てコンサル業界へ。2005年英国ユーロマネー誌より,世界のトップ金融コンサルタントに日本人として唯一選出された、すげぇ人です。
本は物語調になっており、山本氏を彷彿とされる40代のコンサルタントが、28歳の男性に自分の経験やキャリア観を伝えるという内容です。
この本が書かれたのは2005年。なので28歳の男性は1977年生まれで、2020年現在で43歳になる設定です。氷河期世代といわれる世代ですね。
印象的だったのはこの本で語られる、当時の20代の若者観です。
この本では20代の若者観を以下のように書かれています。
・情報過多の中で思考停止になっていないか?世間の情報に踊らされていないか?
・学ぶことだけに熱心で、リターンへの貢献を軽視していないか?(一通り経験したらすぐ転職してしまう)
・早めに人生の勝負をつけようと急ぎ、金銭的な成功をひたすらに追いかけ、自分の実力よりもポジションどりで勝とうとする
これって今も言われているというか、加速している流れのような気がします。
2005年よりも受け取る情報量は加速度的に増えています。当時はスマホないですし。
「ポジションどりで勝とうとする」なんて今転職で主流になりつつある「掛け算のキャリアで希少性を出す」考え方ですよね。
「早めに人生の勝負をつけようと急ぎ、金銭的な成功をひたすらに追いかけ」はアーリーリタイアを目指す姿そのものに思えます。
いつの時代も若者はそういうものなのか、それともその流れが続き、加速しているのかはわかりません。それは別として、著者としては、この考え方は仕事での成功を目指すうえで間違っていると言います。
著者は言います。スキルとか将来性とか、考えるのは30代からで良いと。じゃあ20代はどうすれば良いのか?
答えは…
とにかく、がむしゃらに人の何倍も頑張る事です。
おいおいおーい!そんなことかい!と思ってしまうのは2020年の価値観なんでしょうか。
著者は、20代はがむしゃらに頑張ることで「仕事筋」を身に付ける時期だと言っています。
仕事に関する能力をPCに例えています。
マーケティング、会計、投資理論といったビジネススキルは「アプリケーションスキル」。
ロジカルシンキング、コミュニケーション、ファシリテーションといったビジネススキルは「OSスキル」。
将来どんなアプリケーションやOSを載せても動かせる力は「マシン性能」。
上のものほど陳腐化しやすいため、アップデートが必要です。度重なるアップデートにも耐えられるかどうかは、自身の「マシン性能」にかかっていると、著者は言います。
そのマシン性能=仕事力は4つに分解できます。
それは
「極端力」:ひとつのことに極端に集中して資源配分する力
「努力力」:どんなテーマが与えられても努力を惜しまない習慣
「学習力」:新しいものを効率よく学ぶ力
「受容力」:極端力の反作用を受け入れるだけの達観出来る力
です。
確かに、成長するために基本的な事のように考えられます。
ふと思ったんですが、これって仕事じゃなくても鍛えられそうですよね。10代とか学生でも環境次第で求められそうというか…。東大生やスポーツの世界で輝かしい成果を挙げている人は社会人になる前に結構鍛えられてそうな気がします。
もし、社会に出る前からマシン性能を十分鍛えられていたら、20代からOSスキルを磨き始められますよね。
これが生き急ぐ考え方なんでしょうか?わかりません。
ちなみに、仕事力をOSとソフトに例えた本は他にもありました。その本では、OSを価値観、ソフトをスキルと捉えていました。以下も参照ください。
「20代 仕事筋の鍛え方」。まとめると「成功に近道なし」。とにかく頑張って、どんな仕事でも頑張れるビジネスマンになれ、ってことですね。
ついついマーケティングやプログラミングといったアプリケーションスキルに目が行きがちですが、そもそも自分にはそのアプリを動かせるOSは入っているか?何なら自分は。そのOSを入れてもスムーズに動くマシン性能なのか?
20代でなくても、一度立ち止まって考える必要があるかもしれません。
頑張りましょう。Hey, hey, hey, girl.
それじゃまた