こんにちは山本です。
今回は男女の賃金格差について考えてみようと思います。
男女間で賃金のギャップがあるのはご存知の通り。
参考:
図6 男女間賃金格差|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)
理由は色んな要素が重なり合って、絡み合っていると思います。
その要素の一つに、「子供の頃のなりたい職業」があるんじゃないかと思いまして、「子どもの頃のなりたい職業のタイミングから格差は生まれている」んじゃないかと仮説を立てました。
各年代の男女別のなりたい職業と、その職業の平均年収を調べてみようと思います。
参照したデータ元は第一生命保険株式会社さんの「大人になったらなりたいもの」です。
※平均年収はGoogleざっくり調べです。
※過去のランキングでも、現在の平均年収で出しています。
1989年のなりたいもの
男女雇用機会均等法が制定されたのが1985年なのでその4年後ですね。
男の子
順位/なりたいもの/平均年収
1位 野球選手…3,826万円
2位 警察官・刑事…604万円
3位 おもちゃ屋さん…376万円(店長の平均年収)
4位 サッカー選手…2,100万円
5位 パイロット…1,584万円
6位 学者・博士…700万円(学者の平均年収)
6位 先生…607万円(小学校教諭と高校教諭の平均)
8位 医師…1,240万円
9位 サラリーマン…441万円
10位 電車の運転士…619万円
女の子
1位 保育園・幼稚園の先生…331万円
2位 お菓子屋さん…341万円(パティシエの平均年収)
3位 学校の先生…607万円(小学校教諭と高校教諭の平均)
3位 看護師さん…483万円
5位 お花屋さん…326万円
6位 ピアニスト・ピアノの先生…365万円(ピアノ講師の平均年収)
7位 歌手・タレント…不明
8位 美容師さん…284万円
9位 マンガ家…400万円(あくまで平均)
10位 客室乗務員…539万
1989年の男の子のなりたいもの:平均年収1,209万円
1989年の女の子のなりたいもの:平均年収408万円
なりたい職業の平均値だけで男女で3倍の差が開きました。
プロ野球選手、サッカー選手がかなり平均を上げてますが、その2つを除いても平均771万円と2倍近い差があります。
2004年のなりたいもの
ITバブル崩壊後ですね。
男の子
順位/なりたいもの/平均年収 ※初登場の職種は太字にしてあります
1位 野球選手…3,826万円
2位 サッカー選手…2,100万円
3位 学者・博士…700万円(学者の平均年収)
4位 大工さん…394万円
5位 食べ物屋さん…300万円
6位 医師…1,240万円
7位 警察官・刑事…604万円
7位 テレビ・アニメ系キャラクター…不明
7位 電車・バスの運転士…489万円(電車とバスの平均)
10位 消防士・救急隊…718万円
女の子
1位 食べ物屋さん…300万円
2位 保育園・幼稚園の先生…331万円
3位 看護師さん…483万円
5位 学校の先生(習い事の先生)…607万円(小学校教諭と高校教諭の平均)
6位 飼育係・ペット屋さん・調教師…325万円(飼育係・調教師の平均)
5位 お花屋さん…326万円
7位 美容師さん…284万円
8位 お医者さん…1,240万円
9位 歌手・タレント…不明
10位 ピアニスト・ピアノの先生…365万円(ピアノ講師の平均年収)
2004年の男の子のなりたいもの:平均年収1,152万円
2004年の女の子のなりたいもの:平均年収473万円
1984年の3倍から若干差が縮まりました。
前回同様、男の子の野球サッカーを除いてみると635万円と大きな差はなくなります。
野球とサッカーの存在は大きい。
あと謎の食べ物屋さん大躍進。男女ともにトップ10に入ってきました。
2019年のなりたいもの
直近のデータ。
男の子
順位/なりたいもの/平均年収※初登場の職種は太字にしてあります
1位 サッカー選手…2,100万円
2位 野球選手…3,826万円
3位 警察官・刑事…604万円
4位 電車・バス・車の運転士…489万円(電車とバスの平均)
5位 学者・博士…700万円(学者の平均年収)
6位 医者…1,240万円
7位 消防士・救急隊…718万円
8位 食べ物屋さん…300万円
9位 ゲームやおもちゃをつくる人…518万円(ゲーム開発者全体の平均年収)
10位 大工さん…394万円
女の子
1位 食べ物屋さん…300万円
2位 保育園・幼稚園の先生…331万円
3位 看護師さん…483万円
4位 医者…1,240万円
5位 飼育係・ペット屋さん・調教師…325万円(飼育係・調教師の平均)
6位 学校の先生(習い事の先生)…607万円(小学校教諭と高校教諭の平均)
7位 美容師さん…284万円
8位 デザイナー…432万円(ファッションデザイナーの平均年収)
9位 歌手・タレント・芸人…不明
10位 薬剤師…585万円
2019年の男の子のなりたいもの:平均年収1,088万円
2019年の女の子のなりたいもの:平均年収509万円
さらに差が縮まりました。10位の薬剤師に、手に職を付けて食っていこうという意思を感じます。
例のごとく野球サッカーを除いてみると男の子の平均年収は620万円と大きな差はなくなります。
まとめ
当初の仮説通り、子どものなりたい職業の段階で賃金格差があることがわかりました。
また、女の子の平均年収が上昇傾向にあり、徐々に差が縮りつつあることもわかりました。
男の子は減少傾向なのは不思議ですね。若干ではありますが。
男の子のなりたいものは、警察官や消防士が入っており、危険な分年収が高い職業が平均を上げている印象です。
逆に女の子の場合、 美容師やお花屋さん、飼育係と身近なtoC向けサービスに従事する職業が目立ちます。toCは単価が安く年収は低い傾向にあるので、男の子と差が出ているようです。
次に調べるとしたら、その職業になりたいと思う理由ですよね。その男女差がわかれば、賃金格差に対する理解も深まる気がします。
それじゃまた