人材業界につとめるサラリーマン、山本です。
今回は、簡単そうに思えて意外と苦戦する、転職の志向性について考えてみました。
それは「ないものねだり」の転職活動です。具体的なケースを説明していきます。
短期離職が続いたので、長く勤められる会社に行きたい
入った会社がことごとくブラックだったり、やりたいことが変わったりで短期での離職が続いたケース。
短期離職が良くないことは理解しているので次の会社は長く勤めたい。だから安定した平均勤続年数が長い会社に入りたいと考えます。
これ、なかなか上手く行きません。
なぜなら「平均勤続年数が長い会社ほど、短期離職や転職回数をネガティブに評価するから」です。
ではなぜ、短期離職をよりネガティブに評価する傾向にあるのでしょうか。
理由はいくつかあげられます。
・選考する面接官自身が勤続年数が長いので、短期離職や転職回数の多さに対する共感を得られにくい
・採用基準として、「長く勤めてくれそうな人」の重要度が高い
・そもそもプロパー(新卒)文化であるため、中途社員が少ない
・長期就業してもらわないと、採用コスト・育成コストをペイ出来ない
ざっくりとこんな理由があったりします。
長く勤められそうな会社を探す前に、これまでなぜ短期離職が続いてしまったのが理由を分析するところから始めると良いと思います。
給与が上がらないので、給料を上げたい
頑張ってるけどここ数年給与が全く上がらない。業績が良くないので今後は賞与が下がる可能性もある。今後お金もかかってくるし、給与の上がる会社に行きたい。
自分が年齢平均以下の給与だった場合、会社を変えるだけで平均には届くだろうと考えがちかもしれませんが、これもなかなか上手く行きません。
なぜなら「あなたの年収が低い理由は、あなたの仕事の利益率が低いから」です。
ちょっと冷たい言い方になってしまって申し訳ないのですが、年収が低い=仕事が出来ないと言っているわけではないんです。
給与の金額は、その人の能力ではなく、仕事や会社の利益に左右されます。
給与水準の低い会社が利益率5の仕事をする一方で、給与水準の高い会社は利益率10の仕事をしているんです。
これまでの経験を生かして給与水準の高い会社に移ろうと考えがちで、正しいように思えますが、それが難しい。
難しい理由は、思っている以上に、経験が生かせないからです。
利益率10の仕事をする会社では、利益率5の仕事をしていないんです。そのため「ウチには利益率5の仕事はないから、この人の経験は合わないかな~」という感じでお見送りになってしまいます。
そもそも、転職で給与があがる割合は全体で4割、35歳以上の場合は3割程と言われています。転職直後の目先の給与ではなく、転職したことで得られる生涯年収をイメージしたほうが良い結果を生むと思います。
会社の業績が悪いので、成長企業(調子良いベンチャー)に行きたい
大手企業だから入社したけど、このままこの会社に勤め続けて、倒産やリストラになったらどうしよう…。成長している会社に行けばそんな心配しなくてすむなぁ。
あるあるだと思います。
上手く行かない理由のひとつに「仕事や組織構造が成熟企業とベンチャーでは全然違うから」といのがあります。
産業も会社組織も成熟している場合、仕事の進め方も決まっていて、分業化も進んでいることが多いと思います。ルールにのっとれば仕事が進んでいきます。
ベンチャー企業はその真逆。全然整備されていない環境で一個一個に対応しなくてはいけません、なんならルールを作っていくこともあるかもしれません。
また、大手企業だと40歳でようやく課長みたいな昇進スピードの反面、ベンチャーだと30歳でマネジメントやってますみたいなことも当たり前にあります。ベンチャーだとマネジメント経験を求められる年齢も低いです。
その辺で、経験やカルチャーの面で大きいギャップが生まれます。
それなりの大手企業にいるから、ベンチャーに転職できるだろうと考えがちですが、甘いです。
すでに一般的な知名度が上がっているベンチャー企業は、選考基準がかなり高い傾向にあります。
まだ知名度がこれからのスタートアップに挑戦するのもひとつの手段かもしれません。
おわり
書きなぐってみましたがどうでしょうか。
すべてが上記のケースに当てはまるわけではないですし、希望を叶えて転職する人もいます。
大事なのは、そういった背景・難易度を意識して、対策を考えた上で転職活動することだと思います。
それじゃまた
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