第一話
ネットワークビジネスに勧誘された話①~Tinder始めました~
前回の話
ネットワークビジネスに勧誘された話⑦~ネットワークビジネス、君の名は。~
アム〇ェイの店舗を見学し、気付くと謎のマンションの一室に通された僕。
マサルさん「ここはカツヤさんが自宅とは別に借りてる部屋なんだよ。一軒家持ってて渋谷にマンションも借りられるなんてすごいっしょ!」
ここはグループのリーダー、カツヤさんが借りている部屋なようです。
見渡すと普通に生活できる家具や日用品が揃っていました。
全部アム〇ェイ製品なんだろうな、と思うと少しゾッとしました。
部屋にはカツヤさんともう一人、カツヤさんの右腕的な女性がくつろいでいます。
これからどうなるのか…
カツヤ「あ、〇〇がもうすぐ来るからもうちょっと待ってて。来たら始めるから」
他にも誰か来るの!?
だんだん追い詰められて来ている感じがしてめちゃくちゃ緊張してきました。
あと右腕的な女性は挨拶もしてくれないんですが。
とことん自分に紐づいていない獲物には冷たいんですね。
とにかく何者かを待ちます。
カツヤ「そういえば山本は誰の紹介だっけ」
マサル「山本はサトシが連れてきました」
そういえばサトシさん全然会ってない。
ボウリング大会が最後じゃないでしょうか。
カツヤ「サトシがいないじゃないか」
マサル「サトシは仕事があるらしくって…」
カツヤ「ったくあいつは…前もそうじゃなかったか?」
マサル「すみません…」
なんだかカツヤさんに上と下の板挟みにされる中間管理職の哀愁を感じました。
出来の悪い部下が全然営業しないからクライアントを引き取ってどんどん忙しくなり、上司からはもっと部下を育てろと指導され。
自由を手に入れるって難しそうです。
マサル「お、来たみたいっす」
マサルさんに連れてこられた男性は前回の勉強会で一緒に話を聞いていた人でした。
そして僕の隣に座らされる彼。
カツヤ「揃ったみたいだし、始めようか」
お前、獲物(こっち)側の人間か!
相手側は二人同時に勧誘するつもりのようです。
まずはグループのみんなでいった海外旅行の映像を見せられました。
文章で伝えられるか自信がないのですが、「水着姿の人たちがプールに順番に飛び込む」みたいな内容でした。
すみません、全然伝わってませんね。
トータルで5分くらいあった気がします。ただ僕はちゃんと観ていませんでした。
というのも、事前にアム〇ェイの勧誘について調べた結果、勧誘で流される映像には「サブリミナル効果」が仕込まれているという情報を得ていたからです。
僕は薄目でうっすらと観ていたため、洗脳されずにすみました。
映像を観終わった後にカツヤさんが語り始めました。
このグループに入って人生が変わった奴がいっぱいいること。
20代で1000万円不労所得を得ている奴もいること。
ネットワークビジネスは全然怪しくないし、頑張り次第で稼げること。
アム〇ェイはめちゃくちゃ良い製品であること。
このグループに入れば「自由」「お金」「仲間」が手に入ること。
ちゃんと理解して入ってほしいから、入るためにはこういった会に全部で4回参加する必要があること。
なるほど。
確かにこれらが真実ならば素晴らしいと思いました。
でも事前にネットで調べてきているので僕はこれ進研ゼミで見たやつだ!状態。
次にカツヤさんがアム〇ェイ商品のすごさを実証するということで、比較実験を始めました。
これも事前に予習済み。「これゼミ」状態です。
何種類かの実験をみせてもらいました。
そのうちのひとつは鏡に付いた汚れを落とすにあたって、市販品とアム〇ェイではどちらが落としやすいかを比較するものでした。
そんな中ちょっとした事件が起きます。
なんとカツヤさんがサトシさんをめちゃ怒っているのです。僕らの前で。
カツヤ「これじゃ比較にならないだろ!!」
どうやら鏡につけた汚れがそれぞれ違う形・大きさだったため、それでは実験結果がわかりにくいと怒っていたようです。
そういう演出?なんかマジっぽい?わかりません。
調べてもこんな流れありませんでした。これゼミじゃない・・・。
サトシさん、すでに2回怒られてます。自由って結構つらいっすね。
そんなこんなで実験も無事?終わり、カツヤさんから今の気持ちを教えてほしいといわれました。
・グループに入りたい
・興味はあるが今はまだわからない
・グループに入りたくない
どれか選べと。
選択肢を用意することで何かしらは答えを出させようという事か。
めちゃくちゃ困った。どう答えれば良いのか・・・。
カツヤ「〇〇はどう?」
カツヤさんはもう一人のターゲットに尋ねました。
もう一人「うーん・・・『興味はあるが今はまだわからない』っすね」
あ、それありなの?
そのあと僕も速攻で「興味はあるが今はまだわからない」と答えました。
そこでこの会はお開きになりました。
帰る僕をサトシさんはエレベーターで1階まで送ってくれました。
サトシ「今日はありがとね。また興味があったら2回目も来てよ。平日は忙しいんだっけ?」
山本「そうですねー。平日は夜の9時くらいまで残業することが多いですね」
サトシ「そっか。じゃあ平日は厳しいかもな」
山本「そうかもしれません」
エレベーターが1階に到着しサトシさんは「じゃあな!」と見送ってくれました。
これが彼らとの最後になりました。
平日の夜は時間が取れないという発言でこいつは難しいと思われたのでしょう。
サトシさんとはFacebookでまだ友達同士なので、たまにタイムラインにサトシさんの投稿が流れてきます。
あのグループのパーティーで楽しそうにしているサトシさん、マサルさん、カツヤさん。
ずっと自由とお金と仲間の中で過ごしているのでしょうか。
聞いてみたいですが今連絡しても相手してくれないでしょう。
もう僕は彼らのターゲットではないのですから。
それじゃまた
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