第一話
ネットワークビジネスに勧誘された話①~Tinder始めました~
前回の話
ネットワークビジネスに勧誘された話⑦~ネットワークビジネス、君の名は。~
「『アム〇ェイ』って聞いたことある?」
ついにこの言葉を聞いてしまった・・・。
毎回変だな~怪しいな~と思っていたけど、心のどこかでそうでないことを願っていた。
本当の友人になれるんじゃないかとどこかで期待していた。
その願いを完全に断ち切る言葉が出てしまいました。
「アム〇ェイ」
もちろん聞いたことはありました。
詳しくは知りませんでしたがネットワークビジネス(マルチ商法)界で最も有名なものであり、ネットワークビジネスは手を出さないほうが良いという知識もありました。
山本「アム〇ェイですか?単語は聞いたことありますけど知らないですね」
ここまで来たら行ける所まで行ってやろうと思い知らないふりをしてみました。
マサル「おお、そうなんだ!」
なぜかちょっと嬉しそうなマサルさん。
マサルさんは話を続けます。
マサル「知らないんだったらすげー面白いと思うよ!カツヤさんもこれで前行った家建てたし、話聞くだけでも良いからさ。それじゃ〇時に渋谷の〇〇集合で!」
そんな感じで次の日曜日の約束をし、いよいよ待ち合わせ当日。
僕が待ち合わせ場所に着くとすでにマサルさんが待っていました。
この辺はシゲルとはえらい違いですね。
マサル「おう山本!よろしくね!」
相変わらず明るくフレンドリーなマサルさん。
一緒に歩きながら自然と身の上話になりました。
前はどんな仕事をしていたのか。今はフリーで何をやっているか。
そしてマサルさんは結婚していて小さいお子さんがいること。
お子さんの写真も見せてもらいました。
なんか・・・情に訴えてくるじゃん!
「マサルさん、僕のこと気遣ってくれるし、子煩悩で本当に良い人なのかも」
と思う僕がいる一方で
「マサルさん、小さい子どもがいるのに今から僕を騙そうとしてるんだ」
と冷ややかに見る僕もいて、複雑な気持ちで歩いていました。
しばらく歩くと目的地の大きなビルに到着。
ここにはアム〇ェイの本社が入っており、ビル1階ではアム〇ェイ商品購入できる店舗が入っていました。
きれいに掃除された店内は結構な人がいて賑わっていました。
そこで「この商品が良いんだよ」と勧めてくるマサルさん。
渋谷にこんなことろあったんだなーと。
壁一枚隔てていろんな世界が広がっているんだなーと、
変な感傷に浸ってしまいました。
マッチングアプリで出会ったサトシさんや親しげに接してくれたマサルさんに、自分がただの獲物としか認識されていなかったことに多少なりとも傷ついていたんだと思います。
店舗を見てもらってマサルさんは満足したのか、次の場所へと僕を案内しました。
気が付くと僕は、
あるマンションの一室にいました。
続き
ネットワークビジネスに勧誘された話⑨(完)~さよならはエレベーター~
それじゃまた